【書評・感想】松本人志の情熱と真摯さが注がれた “松本” 。25年経っても色褪せない1冊

北海道移住を機に転職して見事失敗、再転職で復活したイトガダイゴです。

ダウンタウンの松本人志の「松本」っていう本を読んだんです。なんと25年前の本なんですね。

にも関わらず「今にも通じる点がたくさんあるなぁ…!」とすごく興味深かったので、その感想について書いておきたいと思います。

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目次

「松本」感想のまとめ

 

松本っていう本は、週刊朝日のコラムとして、1994年7月〜1995年7月まで約1年間の内容を一冊の本にまとめた内容になってます。

なので、ページ数としては150ページあるのですが、約3ページで一話しか書いてないので、とても読みやすい本でした。

 

松本人志という人物がやっぱりすごいなぁと思わせてくれました。25年前の本なので、松っちゃんの年齢は当時30〜31歳の頃の文章ですね。

すでに30歳の時点で、納税者ランキングで芸能界のトップの位置に君臨していたくらい売れていたので。

 

そんな人の経験談というのは、今後なかなか出てこないだろう、と思います。そして完成度や考えてることは相当高い所にいると感じる文章ですね。

当時はすごく突拍子もない変人だと思われていたけど、今もう一度この「松本」という本を読み直すと、めちゃくちゃ普通なことが書いてあったりします。

「時代が後からついてくるってこういうことか!」が体験できる貴重な本でした。

この本の中でも、特に興味深かった、そして現代でも通じる部分を3つ抜粋しておきます。

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体を張るという言葉の意味

 

体を張るってお笑いタレントですごく求められることじゃないですか。

ここに松っちゃんは引っかかっていて「体を張るっていうのはあくまで言葉のアヤであって、ビジュアル的な問題で体を張れっていうことなのか?(そうじゃないだろう)」という主張ですね。

 

この主張を見て、僕はそもそもお笑い芸人に限らず、体を張る場面って結構いっぱいあると思っていて、単純なところだと残業だったり。

一日中、仕事をやったうえで、さらに家でも複業始めてみたり。

特に企画・クリエイティブの仕事をしていた人なら、分かっていただけると思うんですけど、プレイヤーとして日中仕事をしたうえ、さらに企画を出したり、アイデアを出したりみたいな。

夜遅くまでかかる事って普通にあるんですね。そういう意味でも、日頃から「体を張ってるか?」という言葉はお笑い芸人だけじゃなくてもいろんな人に当てはまるのかなと思いました。

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最近の動画配信サービスに通ずるTV視聴率の問題

 

この本が書かれたのは、25年前の平成5年、1990年代の半ばですね。この頃はやっぱり「視聴率が絶対だ!」っていう時代ですね。テレビは娯楽の王者として君臨していた時代です。

松っちゃんは「視聴率が絶対」に対して「視聴率=質の高い番組」という方程式が成り立たないことも分かっていて、

例えば「本当にめちゃくちゃ好きな番組っていうのはビデオに録画してしまう」と。

 

1回録画しておけば、あとで何回でも見れるから、本当に見たい番組 VS ちょっと見たい番組 なら、本当に見たいものを録画、少し見たいものはリアルタイムで見るみたいな状況が発生してしまうと言ってるんですね。

で、ビデオに録画したところで、一切視聴率とかの数字には表れないのが、すごく大きな矛盾だと述べてます。

 

なので、これを今の2020年代に落として考えてみると、テレビの視聴率はどんどん下降していってますよね。

テレビはというと、クイズ番組や年配層番組が視聴率取れやすくて、どんどんその流れが進んでますね。

そりゃ、やっぱり本当に見たいものはハードディスクやブルーレイに保存できるし。

 

もっと言うと、動画配信サービスで後でいくらでも見れちゃうわけですよね。

裏を返すと、クイズ番組や年配層狙いの番組は、動画配信サービスは配信されてないんですよね。

 

よく考えると、AmazonプライムやNetflixやHuluFOD…。

何でもいいんですけど、そもそも「クイズ番組をもう1回見よう!」ってならないじゃないですか。

 

そう考えていくと、テレビというメディアは、どんどんどんどん瞬間風速的なトレンドを追う番組が増えていくことが予想できそうです。

一方で、ネット配信の強みは世界中どこにいても番組を見られることがメリットですね。

 

なので、英語や中国語、フランス語などに訳して、世界中に配信したりできる。

[voice icon=”https://ebi-tai.com/wp-content/uploads/2018/06/イトダイ.jpeg” name=”イトダイ” type=”l fb”]ネット配信だと、日本人の人口のもう何倍も、何十倍も多くの人に届く可能性を持っていますね。[/voice]

 

そうなってくると、視聴者の数が圧倒的に多いわけですから、番組を作る予算も、圧倒的にテレビよりもネット配信番組の方が大きくなるわけです。

 

つまり、地上波 BS CS という、いわゆるテレビメディアはどんどん厳しい状況になっていくと考えられますね。

ほとんどの人が、ネット配信の動画配信サービスを使っていき、TVは伝統芸能的なメディアになるでしょうね。

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遠くで野次ってるヤツらよリングに上がってこんかい!

 

一番ビシッときたのが、この回「遠くで野次ってるヤツらよリングに上がってこんかい!」

この3ページは、現代の SNS の話をしてるんじゃないかと勘違いさせるぐらいですね。

すごく本質的なことを言っているなと本当にびっくりしました。

 

要約すると、こんな感じ。

[aside type=”boader”]
リングで戦っているボクサーを見て、観客席から全く笑えないヤジ、周りが聞いていて不快になるヤジを言っている人がいましたと。遠くから言っている奴ほど、卑怯なものはなくって。まさかリングから降りてきて殴られるようなことはないだろうという安全地帯にいる安心感から、ボクサーに向けて非難をしていく。これはもう完全に卑怯だ。[/aside]

 

これ、めちゃくちゃやばいっすよね。言うまでもなく twitter の匿名アカウントが 容易に想像できました。

最近でいえば、本気でビジネスの世界で戦っている人、YouTuber、実業家など、めちゃくちゃ努力して、いろんな成功を成し遂げている人間に対して、匿名のTwitterアカウントで中傷的なことを言っちゃうみたいな。

あなたも、ものすごい見てると思うんですよ。

 

様々なことに、チャレンジしている人に対してTwitterで批判ツイートするって、まさにリング上で戦うボクサーに対して、遠くからヤジ飛ばしてる状態ですね。

 

なので、僕はこう考えました。

「Twitter が始まったから批判ツイートが増えた」というより、そもそも遠くからの野次をする文化は日本には存在していた

ただ、デジタル社会になったから、批判ツイートがいつまでも残るのが、批判が多いと感じる要因ですね。

 

ボクシング会場で一回言った事は、その場にいる人にしか共有されないですよね。大きな会場、例えば東京ドームでやったとしても5万人が最大だったわけですね。

でもデジタル社会になった現代で、批判ツイートがどんどんどんどん拡散されていく。すると 批判をした人がまた炎上してみたいな形になっていくわけです。

 

最近は名誉毀損になる批判ツイートに対して、非常に厳しくなっていて、裁判所でも名誉毀損で支払命令の判決が出たり、大きな影響を持ち始めているわけです。

 

「ヤジる」っていうことは、相手を想って言う場合と、本当にけなすだけの場合の二種類あります。

一般教養のある成人としては、相手の奮起を促すような応援をしていくっていうのが大事だなと思うし 良識のある大人としては やっぱり批判的なことは言わないっていうのが大事だなと改めて思いましたね。

 

ということで、松本人志の「松本」で学んだ3つのことについて、感想を書きました。

 

「松本」の前に「遺書」という作品もありまして「遺書」の続編として出された本が「松本」なので、これを機に「遺書」も読んでみようと思います。

もし、これを見て頂いて、興味を持ったかたは、2冊が1つにまとまった「松本の遺書」という文庫版の本があるので、そちらがおすすめです。

ではまた。

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「松本」著:松本人志 の目次

  • そういえば最近、ラブホテルに行ってないから行こう
  • きょうこのごろのダウンタウン改造計画(案)
  • お笑いタレントとして体を張ることの意味は……
  • 頭の悪いヤツは立入禁止 1万円ライブはすぐそこだ
  • そんなこんなを踏まえればオレには芸がないのである
  • この。禁煙ブームはなんとか阻止せねばならない
  • オレがしたためた「遺書」ホンモノだ! 買いたまえ!
  • ライブでまたまた実感した笑いと悪についての関係
  • オレは、今年の夏休み、アルバイトをやりたかった
  • 世のサンピン芸人ども、オレ様との才能の差を泣け
  • たけしさんの会見でひと言 お笑いに代役などないワイ!
  • オレ様の「遺書」が5万部、朝日新聞社よ、なめとんのか!
  • 大阪は笑いのメッカではない 笑いに閉鎖的なのである
  • なるほどザ· ワールドの担当へ お前の人生、編集したろか!
  • さて、今回のテーマは「オレの好き·嫌い論」である
  • オレがマザコンかどうかより とにかく母親との維について
  • あらゆる職業に使命があるが、警官の使命だけは謎だ
  • オレは直木賞もノーベル賞もいらない男だ。覚えとけ!
  • 後に続く者たちよ 荒野でダウンタウン様を追え
  • 素直なだけの世間の奴は たとえば踏切問題を疑え!
  • もう一度、辰吉の試合が見たい辰吉が友達だから
  • 君たちはイジメについて全然わかっていないのだよ
  • 今年のオレは時間を守る 文句のつけようがないはずだ!
  • 視聴率さえよければOK 泣けてくるぜ、ベイビー
  • オレは真剣に怒ろうと思う 真剣に仕事をしているから
  • 尼崎のババアの無事にホッ オレも普通の好青年だった
  • 人は誰のためにでもなく自分のためにがんばるものだ
  • 今田、東野といるときオレは、お笑い筋肉が鍛えられている
  • スローボールは投げられない それがオレの性格なのだ
  • お笑い貴公子松本には、ウソで固めた番組は許せない
  • 君たちの鈍感さゆえに番組でオチを字にする悲しさ
  • おもろい奴がモテる時代を水の泡にしてはならない
  • これ以上、オレを邪魔すると お笑い界をやめるぞ、いいか?
  • 3歳、闘いきれなかった男の涙 無念さが痛いほど伝わった
  • 女好き、という問題について ただし松本個人の場合
  • ビートたけし氏の復帰と変で奇妙な周囲の空気について
  • オレはおカネが大好きだ なくてもおつむがあるけどネ
  • 高速道路のミステリー オレの死とお笑いについて
  • いっそのことオレも立候補しようかと思う今日このごろ
  • オウムの合間のオレの”事件”キリはないが、リキはある
  • 毛ジラミについて教えてくれたオレたちの唯一の育ての親
  • 指図されるのが大嫌いなオレだから、あと4回だ!
  • 遠くで野次ってるヤツらよリングに上がってこんかい!
  • オレを「目指してます」だP お笑い視力がかなり悪い!
  • オレがこの2年間で皆さんに言いたかったこと
  • お笑いを愛する者として 最後に若い人たちへ
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